ひょうし/小説を書こう
相合傘7
作:桜姫/中学3年 女子
キーンコーンカーンコーン
「おはよう!」
「おはようくるみ。」
「由里!…え?ミサ?どうしたの?そんな声を潜めて。由里は?」
「ああ、今、荻野さんのトコには行かない方がいいよ。」
「なんで?由里?ゆり?どしたの?何があったの?なんでうつ伏せなの?
・・・
なんで泣いてるの?」
鼻を真っ赤にして泣き腫らした由里を見て、くるみは少し後ずさった。
「なんでもない。気にしないで。」
「本当に大丈夫?由里?
まさか?」
くるみはキッと後ろを振り返って拓海を睨む。
「赤松!あんたがなんかしたんじゃないでしょうね?」
「お前が俺のことを赤松って呼ぶようになったのはいつからだ?ゆー?」
「あんたがあたしをあだ名で呼んだのはなん年ぶりかしら?」
怯まずくるみがいう。
「ちょっと、くるみ!」
くるみの友達のミサが止めに入るが、くるみの剣幕は収まらない。
「やめとけって」
四人が一斉に振り向いたので、くるみの短い髪をなんとか止めていたピンが飛び、拓海がクルクル回していたシャーペンが、カタンと音を立てて床に落ちた。
声の主がシオンだとわかると、由里がそっぽを向き、くるみが目をとろんとさせ、ミサが顔を赤らめた。
それも当然、シオンはクラスで一番の爽やかイケメンで頭もいい。だから、由里みたいな頭を競う女子以外は、みんなシオンに夢中なのだ。
「なーにがやめとけよ。みんなよってたかって私のことを…
由里の呟きに気づいたくるみがすかさず聞く。
「ねぇ、由里、何があったのかぐらい教えてくれてもいいんじゃないの?みんな心配してるんだよ?」
「心配なんかしてくれなくていいわ。それに、ホントに心配しているのはくるみだけよ。橋本さんなんか、くるみと仲が良くなければ今ここに居ないわよ。」
明らかにミサは気を悪くしたようだった。
「そんな、由里何がなんでもミサのことをそんな風に言うのは失礼よ!」
「何が失礼よ!私が男子と喋ればいつもクスクス笑ってるし、テストでいい点を取れば嫌な顔するじゃない!それに第一、仲間がいなけりゃ何にもできないひ弱な女よ!」
今度はミサが泣いていた。
「由里!何もそんなこと言わなくたっていいじゃない!ミサは無実よ!無実!由里だって人のこと言えない!いつも成績が良ければいい顔してるじゃない!それに、それに、、、
「それに、何よ!」
「お父さんがいないからいつも男をもて遊んでるんだわ!」
くるみは言った後、しまった という顔をした。
由里の母がレズビアンだというのは、くるみと由利だけの秘密だった。
中学入学式の日、隣同士で座り、一緒に喋り、くるみの母がシングルマザーだと知り、似た者同士だと思った由里がこっそり打ち明けた、二人だけの秘密だった。
[だった。]
クラス全員の目がこっちを向いている。信じられないという顔だ。
参観の日も、由里に向かって手を振っているのが女性二人だったというのも、誰も不快には感じていなかったが、理由が分かった瞬間、みんなが由里を偏見の目で見た。
「もう!くるみなんかもううんざり!大っ嫌い!」
由里は長い髪をなびかせて、席を立ち去った。


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