ひょうし/小説を書こう
この世界で僕は君を忘れる2
作:あいうえお/中学1年 男子
第一章 ずっと昔のお話
「じゃーんけーん」
『ぽんっ!』
強い日差し、激しい蝉の鳴き声をうけながら僕と愛菜は2人で遊んでいた。
「勝った〜じゃあ拓也が鬼ね!」
愛菜はそう言うと笑顔で走り去っていく。
僕は暑くなり日かげによると、目をつむってきっちり1分待った。
「……ごじゅーきゅ、ろーくじゅ!」
僕はそう言うなり走り出して愛菜を追いかけた。
愛菜は急な坂の上でこっちを見下ろしている。
ずるがしこい……
この坂を上った先には交差点があり、右にも左にも行くことができる。遠回りするとものすごく時間がかかるため……この道を通らなければならない。
「ずるいよー」
僕はそう言いながらもすでに走り出していた。
完全にしゃがんでいて油断していた愛菜は逃げ出すのに時間がかかった。
一応、愛菜より足は速いつもりだ……!
僕は一気に距離を詰めると100mくらい走ったところでようやく愛菜を捕まえた。
「きゃー! 拓也速いよー」
愛菜は疲れからかその場に勢いよく座り込んだ。
「愛菜が遅いんじゃないの?」
僕がいたずらにそういうと愛菜はあからさまにむっとした顔をする。
「遅くて悪かったね!」
愛菜はぱっと立つと公園に戻り1人でブランコへ向かっていた。
愛菜はいつもこうだ、すねると1人でどんどん先へ行ってしまう。
そしていつもきまって、寂しくなると僕のところへ来てまた笑顔を見せるんだ。

僕たち2人はずっと仲良しだった。それも、幼稚園のころから……
2人はずっと一緒にいて、お互いを一番大事に思っていて……
こうして、僕と愛菜の小学校生活は、お互いが必要不可欠になっていった。

 小学校時代、ほとんど2人きりの生活を送ってきた僕たちはついにこの春、中学生になる。
 愛菜も信じられないほど、大人になった。
 小学4年のころ……あんなにも元気で活発でいた愛菜は中学生になると同時に、本格的に勉強や部活に励むようになっていた。
 当然、僕と一緒にいる時間もだんだん減っていく。
 帰りはいつも一緒にいるようにしているが……少し前まで、ほぼずっと一緒にいた相手が離れてしまうと思うと少し寂しくもあった。
 いつもの帰り道。今日は、愛菜がいない。
 どうやら僕は愛菜のことが好きになってしまったらしい。
 愛菜がいないと何事にも集中できずいつでも愛菜のことを考えてしまう。こういうのを恋というのだろうか。僕には分からなかった。
 ……寂しいな。
 愛菜がいないと、こんなにも静かなものなんだ。
 いつもは風の音や虫の鳴き声なんて全く聞こえないほど2人で笑い合っているのに。今日は、どんな小さな音でも聞こえてくる。それが、たまらなく寂しい。
 早く家に帰ろう。
 この退屈でつらい時間を少しでも短くしようと、僕は走り出した。ちょうどそこはいつも見慣れた交差点。ここを曲がると公園があり、公園を横切れば僕の家の近くまですぐに行くことが出来る。
 よし。今日はこっちに行ってみるね。
 僕は心の中で愛菜に呼びかけると、緑いっぱいの公園の道なき道を走り抜ける。
 荷物が重たく日差しも強い。正直走るのは楽ではなかった。
 たったの500m走っただけで僕の体力はなくなっていた。
「はぁ……暑い、一回休もう」
 僕はおぼつかない足取りで近くにあるベンチに座る。ちょうど日かげになっていてとても涼しい。
「涼しいね」
 僕は無意識に言葉を発した。
 隣に愛菜はいないというのに……
 語りかけても返事がないというところで、今は一人なんだということをまた実感してしまう。
「早く帰らなくちゃ……」
 僕は再び立ち上がると伸びをし、また走り出した――
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