ひょうし/小説を書こう
幽霊の秘密 第1話
作:あいうえお/6年生 男子
キーンコーンカーンコーン
 チャイムが鳴った。授業が終わり、休み時間になったのだ。
6年3組の桜木遥斗は、クラスメイトの清水栞と一緒に音楽室へ向かっていた。
「何で私まで…」
 栞は呆れている。栞は優しいため、すぐに着いてきたが、あまりいい気分じゃないらしい。
「仕方ないだろ。一人じゃできないんだから」
 遥斗は、音楽の授業で勢いに乗って鉄琴を演奏すると宣言してしまったものの、上手く弾けずに困っていたのだ。
 そこで頼ったのが、音楽が得意な栞である。
「高々と宣言したのあんたでしょ……」
 栞は口の中でブツブツと文句を言っていたが、遥斗より先に鉄琴の前へ着いた。
 栞はピアノを習っているため、音階や鍵盤の位置はすぐにわかる。鉄琴など簡単であった。
「ちょっと楽譜貸して」
 遥斗は言われた通りに楽譜を貸した。
 すると、栞はマレットを持つと、楽譜を目で追いながら、一音一音正確に弾き始めた。
「すげー……」
 遥斗はただただ見ていることしかできなかった。いきなりこれを真似しろと言われてもできるわけがない。
「まず音階を覚えないと…」
 遥斗は言われた通りにしようとするが…
「そんな簡単に覚えらんねぇよー」
 音楽が得意ではない遥斗にはとうてい無理である。
「やろうと思わなきゃできるわけないでしょ」
 栞は言うが、そんなこと聞いていない。
「あー、もう仕方ないなー」
 栞は諦めると、一つ一つ教え始めた。
「じゃあ、まずこの音階は何?」
「えーっと……ミ?」
「違う、ソ」
 栞は楽譜の音符の下にソと書いた。
 そんな事を繰り返していると、いつの間にか10分が経っていた。半分くらいは音階を書くことができた。
「疲れたぁ…」
「疲れたのはこっちよ…」
「そろそろ戻ろうぜ?」
 遥斗はそう言うと、音楽室を出ようとした。
「もう、勝手なんだから…」
 栞も遥斗の後を追って音楽室を出た。
 すると……
 誰もいなかった音楽室からピアノの音が聞こえてきた。さすがにこれには2人も驚いた。
「…今、この音楽室から聞こえたよね」
 栞は遥斗に問いかけた。
「そんなわけないだろ…さっき誰もいなかったんだから」
 遥斗は口ではそういうものの、実際は幽霊でもいるのかもと、少しワクワクしていた。
「ちょっと、ハル先入ってよ」
 栞は遥斗のことをハルと呼んでいる。
「えぇ、やだよ」
 ピアノの音は響き続けている。
 しかし、ここで栞があることに気付いた。
「この音楽…さっき私が弾いてたのじゃない?」
「え、まさか……」
 よく聞いてみると、それはたしかに遥斗の楽譜と同じ音だった。
「あ、本当だ…」
 遥斗はふと時計を見た。
 10時10分の10秒前である。
「なんか気になるね、私が先に行くから、一緒に行ってよ」
 栞は仕方なく自分から行くことを約束した。
「……分かったよ」
 時計の針が少しずつ動いている。そして……10分になった。
「え……」
 栞はその場に立ちすくんでしまった。
「ど、どうした!?」
 遥斗は栞の前に飛び出た。
「……」
 2人は言葉を失った。
 さっきまで2人以外いなく、すれ違ってもいない男子がピアノを弾いていたのである。
 その男子は2人の視線に気付くと、驚いたように言った。
「見え…るの?」
 2人は急に怖くなってきた。
 幽霊??
 栞は逃げ出したかった。だけど、逃げたところで、助かるとは思えない。一人で逃げるよりも、遥斗といた方が安心だ。
「お前は誰だ?見たことないけど…」
 遥斗は恐れずに言った。
「…助けて」
 男子はそれだけ言うと、2人の視界から消えていった。
「あれ…?」
 2人ともあっけにとられていた。
 夢でも見ているのだろうか。さっきまで見えていた男子が急に見えなくなるなんて……
 遥斗は、再び時計を見た。
すると……10時11分を回っていた。
「あのさ。今のやつが見えたのが10分なんだけど…11分になった瞬間見えなくなって」
遥斗は栞に自分の推理を話した。
「1分間しか、人の前に現れないんじゃ…?」
 栞は時計を見た。たしかに、11分30秒くらいである。
「そもそも、今の子は学校の子かな」
「んなわけねーだろ?幽霊だって」
 遥斗はワクワクを隠しきれず、笑顔で言った。
「だよね。見たことないし」
「なぁ、さぐってみない?」
 遥斗は興味津々だ。
「えー……」
 しかし実は栞もまんざらでもない。
「少しだけだよ?」
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