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自殺したい僕の話 作:シャ・ノワール/中学1年 女子
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僕は生きている。
朝起きて、一通りの家事をして、寝る。
この繰り返しだけど、今の生活の楽しさに気がついた。
幸せ
個の感情を持つのは初めてかもしれない。
できることが増えるごとに喜んでくれる人がいる。
お姉さんにシェフさん。
これからもずっと一緒にいてください。
君は知っている?
この世に永遠など存在しない。
僕は知らなかった。
幸せは続くと、信じていたから。
ある日、お姉さんが遅くまで帰ってこなかった。
帰ってきたのは夜中の2時すぎ。
「僕、お姉さん転勤になっちゃったからさ、5年くらいシェフさんと暮らしていてね?約束は守ってね。テレビは見ちゃダメだよ!」
こんなに怖いお姉さんは初めて見た。
「う、うん、分かったよ。」
お姉さんはそれだけ言うと、家から出ていってしまった。
2時だからと思い、寝ようとしたが眠れない。
シェフさん寝れないよー
「シェフさ,,,。」
シェフさんはテレビを見ていた。
シェフさんは泣いていた。
シェフさんは呟いた。
「なぜいつもあいつばっかり,,,なぜ私は,,,。」
聞こえてきたテレビの音は少しだけ。
「誘拐」
「山本佳奈」
「僕」
「青木湊」
僕の名前!?
って言うことはお姉さんは山本佳奈という名前なのか?
お姉さんは,,,山本佳奈は逮捕されたのか,,,?
つい、ドアを開けてしまった。
「山本容疑者は他にも誘拐事件を起こし、殺害、死体遺棄をしたとして、調査をすすめ」
パチッ
電源が切られてしまった。
「見たのか?佳奈にダメと言われたろう?」
「ごめんなさい。今のは何の事件だったの?」
知らない振りをして立ち去った。
きっとそのうちこの家にも警察がくる。
僕は家に帰らされる。
シェフさんが捕まる。
お姉さんとは、もう2度と会えない、そんな気がした。
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