ひょうし/小説を書こう
恋情拒否
作:まかろん/中学3年 女子
夕暮れだった。
校舎裏に呼び出された彼女の瞳は揺れ、木漏れ日の中でじっと僕を捉えていた。
返答を欲す僕に向けたその表情は蝋人形を思わせるほどに動かない。
早く楽になりたいと願う自分がいることに気がついてしまってからは更に時の流れが遅くなったものだから辛さは一層増した。
やはり告白などするべきではなかったのだと気がついた頃にはもう手遅れだ。様々な後悔と自虐に溢れた感情が脳内で渦巻く。
8月半ばの生温い風が僕らの頬を撫で、やっと彼女は口を開いた。
「ごめんなさい。気持ちは嬉しいですけど、私…」
予想通りの答えだった。
俯く彼女の髪が前方にずり落ちる。微かに花の香りが漂った。シャンプーだろうか。
「そうだよな、急にごめん。」
彼女に謝られると何故か逆に申し訳なくなってしまい、いそいそと頭を下げる。
なんて惨めなのだろうか!
酷く苦い感情を奥歯の方で噛み殺す。
彼女は奇声に近い声をあげた。
「いえ。決してそうではなくて!」
目を見開くようにして焦り出す彼女の表情を眺める。彼女はいつもの様にはにかんだ。
彼女は花だ。それは咲き誇る桜の花に例えられよう。
彼女の笑った顔は可憐で驚くほどに愛らしい。僕の隣にいるべきなのは彼女であるとずっと思い続けてきた。
残念なことに次に発せられる彼女の言葉で僕の中の理想の花は朽ち果てた。

「私、好きな人がいるんです。」

何を馬鹿なことを!純粋で誰にも媚びず誰にも好意を振りまかない彼女にすら理想の人がいるのだと思いたくなかった。2人が押し黙る空虚の中で彼女の腕時計の音がちりちりと砂のような音をたてた。
僕は微笑みを浮かべ、彼女にまた明日と別れを告げる。
彼女の好きな人なんていなくなってしまえば良いと思った。
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