ひょうし/小説を書こう
ライセイセ 1
作:ソルシエール/中学1年 女子
「芽衣、めっちゃ眠そうだね」
彩が苦笑しながら言う。
ここは中学三年生の修学旅行で、宿舎に帰るバス。確かに眠いのだが、笑い声と話し声と叫び声のあふれた、『うるさいの極み』になっている車内で寝るのはそう簡単じゃあない。
「眠いんだけどぉ…うるさいから寝られないんだよ…」
「まあ、そうだね。あっ、私、耳栓持ってる。使わないから…あった!はいどーぞ」
そう言って彩は私に、黄色の小さい耳栓をくれた。これは百均のやつだな。
「ありがとう…彩は眠くないの?」
「うん。宿舎まではまだまだなんだからさ、ね、おやすみなさい」
「…はい。おやすみー」
私は家から持ってきていたタオルケットを顔からかぶると、すぐにぐっすりと眠ってしまった。それだけ疲れていたのだろう。二日目はイベント盛りだくさんだったからなあ。


と、ふと目が覚めた。今は何時だろうかと腕時計を見ると、もう一時間も眠ってしまっていたのだと気づいた。耳栓を外す。騒音が一気にドバっと耳になだれ込んでくる。まだ話しているとは、このクラスメイト達は何で疲れないのだろうかと不思議になる。窓の外を見るともう日は沈んで、空は藍色に染まっていた。空はいつ見ても私の心を洗い流してくれる…ような気がする。なんか、スウッとする。ふう、と息をついて二度寝に入ろうとしたその時、『ソレ』は起こった。
キキイーッ、と大きな音を立ててバスが急ブレーキをかけた。バスがカーブで曲がり切れなくて、という音だった。ガードレールに突っ込む。崖を転がり落ちる、木に引っかかりガシャンと音を立てて止まる。体が外に投げ出されそうになる、それをシートベルトが引き止める、はずだった。しかし私は、なぜかシートベルトを着けていなかった――もしかしたら寝るときに外したのだろうか――のである。よって、私はダメージをまともに食らった。意識がブラックアウトする。





…ここはどこだろうか。周りを見渡した。…病院?そこまでいってやっと気づいた。
(ああ、あの時私は大けがを…)
そこまで言いてはっとした。じゃあなぜ、私はここに立っているの!?―そう、私はこの病室の床に立っていた。ふとベッドを見ると、そこに横たわる一人の女の子と、それを囲むたくさんの人が見えた。そっと、近づく。そこには、『私』が、包帯ぐるぐる巻きで横たわっていた。
(・・・っ)
「芽衣っ…芽衣!」
そこには彩の姿もあった。彼女は泣いていた。
「何で、何で死んじゃうの…何で!」
(えっ…今『死んだ』って…)
『私は、ここにいる!死んでないっ!ねえ、みんな!こっちだよ!』
私は叫ぶ。半ばパニックになりながら。しかし、誰も私のほうを見ようとしていない。
(見えない…幽霊…?)
まさか。そんなことはないはずだ。思わず、キョロキョロとあたりを見回す。すると部屋の奥に、同じようにしている人が一人、いた。
(あれは、登也)
『登也!』
登也が、私の声に気付いてこっちを見る。その顔は泣いていた。普段決して涙を見せない登也が。
『お前は見えるのか?』
『うん』
『俺たちは、どうなったんだ?』
登也はごしごしと涙を拭いて、言った。

『死んだのか?』
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