ひょうし/小説を書こう
星と赤
作:湊/中学1年 女子


祭囃子とざわざわした話し声が交じる。浴衣姿の少女、流星は疑問の表情を浮かべた。彼女の視線は悠の持っている巾着袋に向いている。

「悠さん。その袋の中、何が入ってるんですか?」
そう聞かれた悠は流星の両目を見つめる。
流星のキラキラした瞳には、クエスチョンマークが浮かんでいるように見えた。
悠は巾着袋の中から艶のある赤い玉を一つ取り出す。さっき屋台で買った飴玉だ。
それを見せると、流星は物珍しそうに飴玉を見つめだした。
闇の中で茶色のお下げ髪が揺れる。
「へぇ、飴玉……。おいしそうですね」

喉をごくんと鳴らす流星。そんなに食べたいのか、と悠が流星に飴玉を渡すと、流星はぱっと顔を明るくした。
「食べていいんですか!?ありがとうございます!」
口の中に赤い飴玉を放り込む。途端に、甘い味が口の中に広がった。
甘くておいしい味に、流星は目を細めて幸せそうに笑う。
悠も緑の飴玉を一つ取り出し、自分で舐め始めた。


「悠さんは、飴玉に似てますね」
口の中で飴を転がしながら、流星は悠に話しかける。
悠はなにも言わずに袋の中の金魚を眺めていた。
「割れやすいけど透き通っていて、美しくて甘ったるい」
悠の白い顎に指を這わせ、甘い香りの吐息を吐く。




「正直、飴玉よりも悠さんが食べたいです」
耳元で囁かれる。悠はいきなりのくすぐったさに驚き、流星から遠ざかった。
女にこんな事をされたのは初めてだ。驚くのにも無理はない。
心臓がバクバクと波打って、呼吸ができなくなる。
悠の気持ちを知ってか知らずか、流星は無邪気に笑い浴衣を揺らす。
「冗談ですって!じゃあ私帰りますね、さよならー!」

そう言い残し、流星は風のように去って行った。流星はそういう人間だ。
唐突に意味の分からない事をして、そのまま帰って行く意図の掴めない人間。
だが、そんな人間に悠が踊らされているのも事実。
乙女のように高まる胸を押さえつけ、無理矢理飴をもう一つ口に放り込む。


あの甘い香りと味が、口いっぱいに広がった。
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