ひょうし/小説を書こう
主人公が死んだ。≫4
作:まかろん/中学2年 女子

息を止めたら思いのほか楽だった。


「でも、まだ君の心臓は止まっていないよ。」


弱い光の中、私の独り言に返す声があった。

話しかけないでくれ。
私は眉間に皺を寄せて見えないものを睨む。

薄明かりの照らす空間に誰かの声と水音が響く。

私はいつまでこれを続けるのだろうか。

私は光に手を伸ばしてみた。

「わっ。」

なにかが揺れた気がし、目を見開く。
体に衝撃と痛みが同時に襲いかかった。
信じられないような勢いで硬いなにかに打ち付けられ、体がその衝撃で跳ねた。

落下したらしい。それも唐突に。
暗い箱のような世界の中で私は独りぼっちで痛みを堪えて仰向けになると何故か悔しくなってしまって涙を零す。
湿っぽい空気が充満しているのを感じる。

ほんの少しの息苦しさを感じた。
私という名前の肉体はまだ生きているらしい。

私は欠伸をすると何もかもがどうでも良く感じてしまって手足を放り出して眠りにつこうとした。

しかし微かに男性の声が聞こえた気がして、眠るのはあとにしようと考えた。
暗闇の中、耳をすます。

「ああっ、間違えた、やらかした。」

鮮明ながらも勢い良く私の耳に飛び込んで来たのは慌てるような男の声だった。
それに連なるように視界にカメラのフラッシュのような眩しさと勢いの光が差し込んだ。

私はその眩しさにすっかり目が痛くなってしまって手で目を覆う。
この眩しい虹彩が私の目を奪ってしまう、そんな気がして私は怖くなって縮こまって震えていた。

「ああ、なんてことを。」

男はそっと私の肩に触れると私に話しかけた。

「目が、どうかしたのかい。」

その甘く驚く程に優しい物言いをする低い声は私の耳を舐めるようにゆっくりと脳内に這ってくる。

「い、いいえ、なんでもないです。」

私はいつしか溺れた時のような気持ちになって、男の顔も見れずに返事をした。目は覆ったまま。
この脳内を蝕むような優しい声が怖い。
私は自身の脚の震えを抑えてうわ言のように男に話しかけた。

「ここは私の部屋じゃないわね。だって眩しい、私の部屋はもっと薄暗いわ。」

言い終えると男の漂わせる黒い霧のような雰囲気が一層濃くなったのを感じる。

「そうだよ。」

暫く時間を置いてからの男の返事にブルっと身震いをする。今更鳥肌が立った。何故私はここにいるのだろう。私はどこから落ちた?
目をそっと閉じ男の声のする方向を見る。

「もしかして、誘拐ですか。」

まず誘拐との可能性を疑った。この人は理性がきちんとありそうだったから少しだけなら刺激しても大丈夫そうだったので問うてみた。

しかし男の返事は「NO」だった。

違うのか。私は他の可能性を考えてみた。
ふと私の脳内に浮かんできた言葉をなにも考えずに口に出す。

「養護施設とか」

そうだったならば良いなと思う。
声が聞こえる方を向くと彼は間を置いてから
「ビンゴ。」と答えた。

その答えを聞くとつい緊張の糸が切れてしまう。

その場に倒れた少女は2日間眠り続ける。その頬には涙が伝っていた。
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