ひょうし/小説を書こう
俺は。 1
作:燐玖/6年生 女子
時々、育ちたくないと、強く思う。成長することが悲しくなってしまう。言葉にはできない。言葉にできないほど、このままが良いーそう祈る。
義務がある楽。
結局は逃げていた。強くなったと思っていても、弱い所を覆い隠して楽に逃げていた。有能ぶっていた。
薄っぺらくて吐き気がする。ようやくわかった気がする。今こうなっている理由。
ただ空虚な日々に疲れていた。義務が無くなったから。自分の存在意義が見つからないから。
ああ、気分が悪い。
でもこの状態に流れている自分もいる。楽なのだ。何もしなくてもいいのが楽なのだ。板挟みの状態は、既に経験している。


騒がしいクラスの中では誰かにくっついていないと会話ができない。やたらひっついてくる翔が鬱陶しい以外は溜まっていく一方のストレスを発散する良い場所だったし、美菜子とも仲が良かった。美菜子は一時莉乃達の女子の殆どを占めるグループを忌々しげに見て「あいつらともう関わらない」ーそう宣言したのだ。
何でじゃあ今は莉乃と仲良く笑いあっているのか。
何で男子と鬼ごっこをして遊んでいるのか。
何で俺を気にもせず走り回って遊んでいるのか。
実を言うなれば羨ましい。仲よく会話する子がいるのも、男子と遊べるのも。
ああ、羨ましい羨ましい羨ましい。ああ、妬ましい。
自分の内にある爆発しそうなエネルギー。大部分が嫉妬で出来上がったエネルギーに自分は時々苛苛する。全てをぶち壊したくなる衝動に身を委ねたくなる。そんな自分が恐ろしい。
「ボッチ〜」
内川奈々。唯一親友と呼べるかもしれなかったが、長期休んだ時話せる相手がいなかったらしく(実際はかなり話していたらしいが)それ以来淋しくなるとこっちへ来る。正直言うと腹が立つ。こっちの方が孤独だ。
「うん・・・」
(翔から奪った)本から目を離さず返答すると「あぁぁああぁああ〜」と泣きまねをしながら戻って行った。
「京珠(みやび)、咲人きたよー」
何を血迷ったのか不明な5年のころ好意を寄せていた草原咲人(さきと)は今日遅刻していた。水泳をやっていて今日は朝っぱらから大会があったらしい。目の下のクマがそれを物語っている。
「あぁ、そう」
捩った姿勢を戻し本に視線を落とす。回り込んで話しかけて来る。
「ねぇ、嬉しいでしょ?」
「別にー・・・・」
視線を本の上で忙しなく走らせつつ適当な返事をする。莉乃はつまらなくなったのか仲間の許へ走って行って「咲人、京珠嬉しくないって、悲しい?」と訊く声が聞こえた。くだらねぇ!最高にくだらない!激しく叫びつつちらりと時計の針を見た。
もうすぐ担任が戻るな・・・そう考えてはっとして
「静かにしてー!」
一回叫びすぐに本に視線を戻す。
「来たぞせんせぇ!!」
中田が叫んでガタガタと椅子を引く音がして一瞬静まった刹那ドアがガラッと開いた。
「先生来たぞって叫んでたの誰ですか?」
担任ー山碕(やまざき)は真剣に怒った声をしているのにどっと教室で笑いが沸騰した。舐められている証拠である。
「笑うことじゃないだろ!」
一喝に一応静まったがまだ忍び笑いは収まりきっていない。
優秀だったクラスは緩い監視下の許で一気に落ちぶれ、協調性を失った。卒業まで後20日、京珠は爆発の寸前まで溜まっていた。
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