ひょうし/小説を書こう
宵闇、藍色牡丹。其の六
作:ひー/中学1年 女子


彼の漆黒の眼は、今日も誰かの心を見透かす。
「ほら、結局さ、僕の二の舞じゃない」
「……だからなんだ」
「別に?」
くくくと笑って、彼ーー風麻は月夜の首筋を撫でる。
「やだなぁ。一体何人に抱かれてきたの? それとも歳のせいかな、色気すごいんだけど」
月夜は露骨に嫌な顔をした。彼の首筋を撫でていた指は、いつの間にかその細い首を射抜くように突き立てられている。
「殺すつもりか?」
風麻はその問いに対して張り付けたような笑みで返すと、そういうわけじゃないけど、と言った。
ーーつくづく、わからない。
何が目的なのかわからない言動をするのが、この少年の特徴と言っても過言ではない。そして今日も、それは変わらないのだ。
「ねぇねぇ、もしも僕が今ここで月夜のこと殺すって言ったらどうする?」
「結局殺すのか」
「そうじゃないって。単純な質問。普通に答えてよ、本当に殺すなんてしないから」
「呉羽を呼ぶかな」
現に今も、廊下にいる。風麻は笑った。
「呉羽がいなかったら?」
「いなかったら……? どうしようもないな、お前に殺されるしかない」
だよね、と言って風麻は指を離す。
「くだらない冗談だよ。真面目に受け取らないで、所詮僕の言うことだから」
「あの椿がか、変わったもんだな」
椿、という言葉に風麻は異様に反応する。それは過去に“こと"があったからだが、ここでは触れないでおく。
風麻は顔を強張らせて笑った。
「椿? 知らないな」
「過去の源氏名を忘れるなんてとんだ莫迦か?」
部屋を出ようとした彼は振り返る。その顔はまるで少女のように美しく、そして歪だ。
「知らないよ。ーーそう、僕は何も知らない」









宵闇、藍色牡丹。










猫が襖の間からするりと入ってきた。柔らかい毛並みの三毛猫で、月夜に懐いている。勝手に彼は紫、などと呼んでいるが、紫本人はどうおもっているのかどうかはわからない。
おいで、と月夜が声をかけると、尻尾をぴんと立てて擦り寄ってくる。
「よく猫を可愛いと思えますね」
猫が苦手である呉羽は心底嫌そうな表情をしたが、一方で月夜は何食わぬ様子で紫を抱いている。紫は嬉しそうにぐるぐると喉を鳴らし、そのまま眠りはじめた。
「実際可愛いだろ」
彼は微笑んですらいる。起こさないようにそっと膝に降ろした。
ふいに襖をとんとん、と叩く音がして一人の青年が入ってきた。
「相変わらずだな、また猫か」
青年ーー桂木は月夜の座っている敷布の傍に胡坐をかくと、
「それ、そんなに可愛いか?」
と問うた。
桂木は今日は休みだというのに、袴を穿いている。月夜は常に楽な格好を好むので、袴など殆ど着ることはないが、それを言うと桂木は怠惰なのは性に合わないから、と返す。案外真面目な男なのだ。
月夜は当然の顔をして可愛い、と言うが、呉羽は肩をすくめる。
「僕は出ますよ、外には千早もいるでしょう? お二人でお話しされたらいかがですか」
そう言って彼が部屋を出ていくと、桂木は
「傷、どうなった」
と尋(き)きながら月夜の着ている襦袢の前をはだけた。そこには白い肌と同化しそうな色の包帯が巻いてある。
「これ誰が巻いたんだ」
「呉羽」
「上手いな、千早より上手かも」
すると、月夜は少し眉を顰めた。
「包帯巻かせるようなこと何時したんだよ」
「大したことじゃないさ、随分前に軽い火傷したときかな。彼奴、呪術は得意なのになんでこういうこと上手くいかないかな。手先が不器用なのか」
神妙な顔で一人納得すると、桂木は呆れたように笑った。
「なんていうか、お前もさぁ、別に呉羽以外の護衛足したっていいと思うけど。まぁ、その容姿のせいで狙われやすいのは知ってるけど。でも最近そういう奴少なくなってるんだから、別によくないかーーまぁ、俺が言うことでもないけど」
「……」
彼は月夜の膝に乗っている猫を撫でる。するとその猫はまた喉を鳴らして、彼の手に頭を擦り付けた。
「この猫ーー紫じゃないけど、お前は猫みたいな奴だな」
「はぁ?」
桂木は笑う。
「別に。ただ唐突に思っただけだから」
「お前はそういうことが多いからわからない」
月夜は少し恥らうように自らの髪を弄った。緋い瞳が軽く伏せられて、酔わすような色気が香っている。
ふいに紫が顔をあげて、月夜の膝の上から飛び降りた。ここを開けて、というように襖の側でにゃあと鳴く。桂木が立ち上がって襖を開けると、入ってきたときと同じようにするりと隙間を通って、何処かへ行ってしまった。
「……あ、」
「紫ってどこで拾ってきたんだ?」
桂木が問うと、月夜は小首をかしげて思案していたが、拾ってきたわけじゃない、と答えた。
「拾ってきたっていうか……なんか気付いたら居座ってた、みたいな?」
「へぇ」
相槌を打って桂木は立ち上がり、とん、と月夜の頭を突ついた。
「取り敢えず、さっさと治せよ、その傷。呉羽が苦労するぞ」
「ん」
彼はまた来る、と言い手をひらひら振りながら出ていく。それと入れ違いで呉羽が入ってきたが、その時に桂木は彼に何かを渡した。呉羽はえ、というような顔をしたが、いいからいいから、と言ってそのまま桂木は外にいる千早と共に出ていった。
「何を貰ったんだ」
「金柑です」
「金柑?」
はい、と言って呉羽はその巾着から一つ摘(つま)みだす。金柑は砂糖が塗してあるのか、陽光を浴びてきらきらと光っていた。
「これ、いりますか」
呉羽が訊くと、
「今はいらない。…っていうか、そもそも金柑がそこまで好きではないんだな、これが。ーーお前にやるよ」
と月夜は言った。
が。
「……残念ながらなんですけど、僕も駄目なんですよね、金柑」
「………面倒なものを持ってきやがる」

陽の当たる部屋で、二人の主従は溜息をついたのであった。


******


「何をなさっているんですか」
きっとどこにもしあわせはないんだろうな、と僕は思う。
「なんでそんなところにーーそのような化物と一緒にいるのです」
多分、しあわせは存在しても、絶対に永くは続かない。永遠は存在しない。
いつの間にか僕の隣に居た結は、僕の知らない男に手を引かれている。
「違うわ、柚は化物じゃないの。私たちとおんなじ人間なの」
「血迷っておられるのですか。人間?…違いますよ、“あれ"は只の疫病神です。貴女が近付いたら、貴女もその疫を貰うのです、お解りになりますか」
男は抵抗する結を抱きかかえると、やれ、というように茂みに向かって顎を動かした。
その途端に黒い覆面をした男が出てきて、僕の両腕を羽交い締めにする。やだ、と叫んだところでこめかみに強い衝撃を感じ、僕の視界は暗くなった。
待って、という結の声が聞こえた気がしたが、その声を僕の頭は取り込むことはしなかった。





永いしあわせは存在しないのだと、知った。









続…?



あとがき
どうも、こんにちは、ひーです。
学校ないわやったね!! とはしゃぎまくり、課題も終わってないくせに某デパートに遊びに行き、文ストのラバストと缶バッジを引いたところ敦くんのラバストと芥川と中也のバッジが当たり頭がおっぺけぺーになっているところに天月さんとまふまふさんのノンファンタジーを聴いて追い打ちをかけられるように脳味噌がちょっと無法地帯になっているひーです(急にどうした)。
急に発狂してすみません。ちょっと今あれですね、頭が働いてませんね。ラバストとバッジ神でした。はい。天月さんとまふまふさんのノンファンタジーも神でした。はい。
そんな中書いた六ですが、月夜様の猫好きが発覚いたしましたね。紫のモデルは私の飼っているげろかわ三毛猫です。ペット馬鹿がでました。すみません、
テンションがおかしいです!!! どうしましょう!!! 課題!!!! やってきます☆←

んーと、あとお名前募集中です。新しい男娼さんの。応募が来なかったら私のほうで決めますが、もしもいいやつがあれば!! ぜひ!!! 募集中!!!! です!!
応募されたもの…ふたつくらいは採用されるかと思います。あ、ボブとかマイクとかやめてくださいね。和風で綺麗なお名前募集してます。花の名前でもいいですし、たとえば源氏物語とかから引っ張ってきたものでもいいですし。いくつでもどうぞ〜。新しい男娼さん出てくるときはそのうちの名前から出そうかと思っています。

長々とすみませんでした(土下座)
コメント、アドバイスお待ちしております(^o^)(お名前応募も待ってるよ!!!)
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