ひょうし/小説を書こう
アクアマリンと深夜2時
作:ひー/中学1年 女子


「…今日は?」
「無理、ごめん」
「……あっそ」
私たちの関係は怠惰だ。
「……なんかいつも、」
「別にいい」
解っているから。知っているから。
「楽しくやってきなよ」
だから、私は笑って言うのだ。
「私は、貴方を愛しているから」




真っ赤な嘘。
真紅の嘘。
嘘。
うそ。
ウソ。
「僕は、君を愛している」
それも嘘。
嘘と嘘がかち合ったら、それは本当になるのではないかと思う。
マイナス×マイナス=プラスのように。
貴方の腕に抱かれているとき、私は考える。独りで食事をとるとき、私は考える。
このまんま平行線でいても、それはそれで過ごし易いかもしれない。
貴方がくれたピアスを触った。私の誕生石のアクアマリン。
それを乱暴ともいえるように外して、ゴミ箱に捨てた。白熱灯の光に照らされて、私の心とは正反対に輝いて、それはゴミ箱に落ちる。
長らく吸っていなかった煙草の箱を開け、無造作に火をつけた。

深夜2時。

貴方はまだ帰っては来ない。
完全に、私の我儘だ。
それでも。
それでも、愛に飢えている。



私は自嘲のように笑う。
なんかもう、面倒だ。
固定電話の隣にあるメモ帳に、ひとこと書いて、ゴミ箱から拾ったアクアマリンのピアスを一緒に置いておいた。


『しばらく、家を明けます。すぐ戻ります。』





******





2日ぶりに帰宅した。
また色々と言われるだろうか。でも最近は何も言ってはこないから、そうだといい。
「ただいま」
声をかけるが、返事がない。この時間にはいつも居る筈だ。車はあった。
「おい」
寝ているのか。
寝室を覗いた。誰もいない。
ふと、テーブルのメモと光るモノに目が付く。
『しばらく、家を明けます。すぐ戻ります。』
「……まぁ、すぐ戻るって言ってるし」
そのまま放置して、夜が来る。
いつものようにニュースをつけた。
薄暗い部屋に、抑揚も感情もないニュースキャスターの声がこだまする。

『×月××日未明、32歳女性の遺体が、××山の麓で発見されました。木の枝に縄を括り付け、首を吊っていたということで、近くに落ちていた女性のものと思われるバッグから、警察は身元の確認を急いでいます。ーー』

笑った。
ーーまさか、ね。
君ではないだろう。




次の日の朝。
家を出る前に、またニュースをつけた。





『速報です。×月××日未明、××山の麓で首を吊って自殺していた女性の身元が判明しました。××県××市在住の×××さんです。警察は身元確認をさらに進め、遺族の方への連絡を進めています。』






電話の着信音が、静かな部屋に響いた。










ーEnd.
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