ひょうし/小説を書こう
雨よ、悲しみよ、喜びよ― |
作:芯筆/6年生 女子
甘原玲衣・・・・・・・普通の少年。むずかしいことが苦手。
甘原麗子・・・・・・・玲衣の母親。
  匡茂(マサシゲ)・・・・・・玲衣の父親。





その時覚えているのは雨の音と、訳の分からない狂乱、そして静かに母の心を蝕んだ父の笑顔だけ。
妙に騒がしくなったニューススタジオで、アナウンサーが、父の名を読んで、
「殺害された」
って―


    雨よ。

全て洗い流しておくれよ。


    悲しみよ。

僕の中の感情から、消え去ってくれよ。

  喜びを―

母のカラダに。

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湿気った夜だ。梅雨の時期、その日も雨は一日中降り続いていた。9時になった今も。
「そろそろかしら・・・」
母親―麗子がぼそりと呟き、台所に立つ。僕は宿題を終え、安らかな気分でマンガを読んでいた。と、思う。何しろそれ以降の記憶が強すぎるのだ。

「帰ってこないねぇ・・・」
30分が経過した。麗子は首を傾げつつコンロに火をかける。確かにそろそろ帰らないとおかしい時間だし、抑々父親―匡茂は必ず遅れる日は連絡を入れる。

その日はとうとう帰ってこなかった。僕と麗子は不安を感じながら床に就いた。

―奇妙な夢を見た。匡茂が、背中を向けて立っていて、ぼくが声をかけても振り向かなくて、手をつかんでも、塵芥となって消える。


じりじりという音で起きるとまだ深夜だった。しかし電話はなっている。なんだろうかと思って寝ぼけなまこを擦りつつ電話を不通にしようとしたとき、
「麗子か。玲衣か」
父親の声だった。
「・・・僕」
こんな時間に、一体。僕を包んだのは不審感と違和感、恐怖。
「玲衣―強く、生きろ」
訳が分からず立ち尽くす僕に、父親は「じゃあな」と一方的に切った。暫く茫然と受話器を耳に当てていた。

「東京都の男性11名、謎死」
翌日新聞のトップを飾ったニュース。テレビでも「戦後最悪」だの「無残」だの専門家たちが話し合う。
ああ、いつもの光景だ。―父親が帰らないことを除けば。
大事なことを、除いたならば。
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