ひょうし/小説を書こう
マジカルパワー最終回ーdarkvanishー上
作:芯筆/6年生 女子


「一葉・・・」
月読命が溜息とともに一葉の名を呼ぶ。月読命の表情は諦念が滲んでいた。
「悪い。隠していたことも多い。信頼しないならもう結構だ」
そこまで行ってからちらりと姫香を見て、
「だが、最期でいい、信頼してくれないか」
ちらりと見た一瞬で十分だった。姫香が悪魔だということは本当で、倒すしかないことはわかった。
否。
言葉は選ぶまい。
能力者として、仲間も殺す必要があるのだ。
一葉は少しの間逡巡していたが―その間も倒すべき敵は待っていた―ゆっくりと頷いた。
理舒は一葉の瞳に一葉以外の何かを見る。叶波にも日和にもそれはわかっていた。
「いいかい、最期の語らいは?」
姫香の手が動く気配があった。全員―困惑の色を滲ませつつも―臨戦態勢に入る。日和はパイプを明後日の方向へ投げた。
「体で・・・語ろう」
母の言葉に倣って。女手一人で育てた母に倣って。ここで死ぬかもしれないから、人と命のやり取りをするならば自分の命を惜しむな。



天音が思い切り雷を轟かせた。雷の形が槍に変わっていく、やがて立派な槍が出来上がった。日和も合わせて姫香に近づいた。―と。
「!?」
姫香がゆらりと消えた。どこだ、と叶波は咄嗟に辺りを見回す。日和は必死に気配と”心の気”を探す。
「夢の力だ・・・」
月読命が信じられないという感じて呟く。
「夢?」
理舒が月読命を振り返る。
「ああ。滅多に出ない力でな、出ても育てるのが難しい。人の視覚・聴覚が操れるが・・・完璧に使いこなす人を私は知らない・・・・」
月読命は言いながらも日本刀を油断なく構える。
「痛っ!」
日和の悲鳴が聞こえた。
「ここか!」
叶波が適当にワイヤーを振り下ろすと空気が動いた気配がした。
「一葉、右!」
一葉の背後に迫っていた姫香に一葉はナイフを鋭く投げた。ナイフは地面に落ちる前に、伸びてきた手に回収される。
「誰!?」
天音の姿を認識する前に日和が叫ぶ。
「あ、まっ・・・」
日和はすぐさま迫ってくる槍を避けて天音を睨んだ。
「何を!」
日和が叫ぶと天音は悲しそうな表情を閃かせ、力なく首を振った。
「敵なんだよ」
天音は槍を振り下ろした。



「姫香っ!」
危うく避けたナイフが地面に突き刺さって震えた。姫香はすぐさま横に飛んで叶波のワイヤーを避けつつ植物を一葉に向かわせた。寸での所で切っ先を落として避ける。月読命は何とか時を止められないかと初めのうちはチャンスをうかがっていたが、諦めたらしくナイフや植物を叩き落としたり切り刻んだり、時には姫香のナイフと衝突したりしているが、なかなか傷がつかない。
「水よっ!!」
水が奔流となって姫香に襲い掛かるが、さっと避けられる。避けた先に日和は鎖を思い切り投げた。姫香はさっと後ろに避けたが気配を消していた理舒のナイフが背中に叩き込まれた。表情は見えなかった。何も考えなかった。一葉は、ただ一葉は姫香に馬乗りになった。
「どうして裏ぎった!」
一葉は苦痛に顔を歪めながら叫んだ。
「・・・」
姫香は何も言わない。無表情で一葉の青い瞳を見つめる。不意に姫香の瞳から一筋光が溢れた。
「・・・った」
「・・・・・・」
「悪かった・・・」
姫香はいま一葉を殺せる。でもそれをしないのは情か。一葉も殺そうと思えば殺せる、自分が殺されることも知っている。
でもそれをしないのだ。お互いに殺せないのだ。
――だから、この姉妹は。
「姫香・・・」
一葉は苦し気に呻くように囁いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・大切だよ・・・・・・・・・・」



分かっていたのだ。自分が天音に手を出せないこと。自分の勘と動きが鈍ること。
天音は日和の瞳を追っていた。日和は気が付いていないのだろうか、瞳は潤んでいた。鎖を先ほど日和は取り落とした。体で戦うといってもこれは厳しすぎる。日和は天音に手が出せなかった。―心情。
「・・・っ」
槍が日和の頬に掠り、日和の頬から鮮血が滴る。日和の動きが止まった一瞬、天音は日和の喉に槍を突きつけた。日和は哀しそうに目を伏せた。
どうして裏切った!
一葉の金切声が聞こえた。一葉の言葉が自分に向いている気がして天音は胸が激しく痛み、そっと胸を本当にそっと抑えた。

静寂が訪れた。


なかがき
裏切りと愛しさが交錯するクライマックス。
なんてかっこつけてみたり。
前回の文章は本当にすみませんでした。またいつか書き直します。わかりにくすぎますね。今回はまだましかと思います。でもなんか納得いきませんがね・・・((´;ω;`))
次回、完全クライマックスです。感慨深。
第二期は題名どうしようかな・・・そのまま「マジカルパワー||」にするかな・・・
ほかになんかいい名前あったら教えてください。

ああ、最近納得のいく文章が書けない・・・アドバイス募集。
では、最終回でおあいしまそ。
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