ひょうし/小説を書こう
――Noisy ー10ー
作:がんえん/中学2年 女子

――Noisy ー10ー


・俺……本名‥星河 誠也 (ホシカワ セイヤ)
    星河家長男である、夏を嫌う青年。
    現在は大学一年生。
    三年前から、主に身体を使うこと
    が不自由となる。

・姉……本名‥星河 鈴 (ホシカワ リン)
    星河家長女である、大学二年生。
    「鈴」を「すず」と呼ばれることを
    激しく嫌う。

・妹……本名‥星河 捺生(ホシカワ ナツキ)
    星河家次女。
    現在4歳で、幼稚園、
    保育園には通えていない。
    夏という季節が好きな末っ子。
    実は誠也と鈴とは父親が
    違っていて……





ただ、二人で朝を迎えるだけの関係だったのかもしれない。
思い出、と言われて、一番に思い出すのは朝の気だるさとシャワーの冷たさと、珈琲くらいのもので。
所詮インスタントの安いものだが、彼は珈琲だけは毎朝いれてくれたものだった。
いつからだろう、会話が無くなったのは。
いつからだろう、優しさが暴力に変わったのは。
――いつから、珈琲をいれてくれなくなったんだっけ。
一応彼とは数年の付き合いだった。
そんな中でのことだったから、驚いたのだ。
私の心の域は関係ないように問答無用で押し倒し、殴られることが増えたことに。

幼い妹と、ハンデを持った弟がいて。
私がどうにかなって、困るのは私ではないのだと気づいてからは、彼からは逃げている。
逃げなくてはいけない、と気づいたのは本当に最近の話だった。
お前が危ない、そう知らせてくれたのは弟で。
私は駄目な姉であることは、昔からずっと変わりがないんだと気づいた。

私が、頑張らなくてはいけないんだ。




「過労、ストレスの溜まりすぎによった目眩だと思いますが……頑張りすぎ、ですかね。しばらく入院して、経過観察ですね。」
「……そうですか。」

頑張らなくてはいけないのに、そう思っていることで体調不良とは、どうしたものか。
「こちらで何か強制したりはしませんので、身体を休める機会だと思っていただければ結構ですが、一週間程度は安静にしてもらいたいところですね。」
「……はい、わかりました。」


あの雨の日に、倒れてから何があったのかは正直覚えていない。
少なくとも今病院で話が入院という形で進んでいるところを見ると、救急車で運ばれるといった御大層なものだったのだろうが。
――一体誰が電話を、まさか捺生が……?
捺生は目覚めたときには隣にいた気がしたのに、兄貴のところ行ってくると残して気づいたら姿を消してしまった。
――あぁ、そういえば、誠也と同じ病院なんだよね。
自分の衣料品やらを持ってくるときに誠也のものも持ってこよう……なんて、呑気に考える時間が入院したことでできたのだった。
「…………誠也……」


『私達のとこで、兄貴…………二年前に死んだんだ。』
衝撃的な未来の出来事。
まず捺生がタイムリープ的なことをしている時点で驚いているのに。タイムリープ、というべきなのか、捺生の自我だけが未来のものという面白可笑しい嘘みたいな本当の話。

「そんなの、私一人で背負えるわけない…………。」

せめて、心強い仲間でもいればよかったのだ。
私が今友達だと思っている人は、本当は私しか仲が良いと思っていなくて、いとも簡単に私から離れて捨られてしまう気がする。気づいたら馬鹿みたいに人間不信になっていた。
もっと大学で人間関係を上手く作っておくべきだったのかもしれない。心から信頼できる、そんな人を。

「……アイツ、もっとちゃんとしてた頃ならよかったのに…………。」

おかしくなってしまった私の恋人。恋仲と呼ぶことが間違いになってしまった関係。彼のせいで私の人間不信が悪化していったのではなかろうか。

「鈴!!」
「うわっ、て、誠也……!」
「よかった、看護師さんから鈴が緊急搬送されたって言われて……、あぁ、よかった……。」

看護師さんが後ろで微笑んでいる。
その横で捺生は不自然な笑みを浮かべていた。

「二年ぶりの……兄貴……なんだけどな…………。」

その呟きを、私は聞き逃してはいなかった。

「あ、ありがとうございます。」

後ろを振り返った誠也が車椅子を押してきていた看護師さんに言う。
じゃあ私は失礼します、と丁寧に一礼して看護師さんは静かに戸を閉めた。

「そういや、捺生はどこにいたんだ!?どうしてお前倒れて……昨日だけで何があったんだよ。」

焦りの色を隠さず表に出してくる弟は今にも車椅子から立ち上がりそうな勢いで質問をし始める。

「せ、誠也、落ち着いて……えっ……とね、実のところ、倒れてからは何があったのかあんまり覚えてなかったり……する…………」
「そりゃ、意識ぶっとんだんだから当然でしょ。」

冷静な顔で捺生は言い放った。

「あー……それと、捺生はどうしてこんな口調に?」

苦笑いを浮かべた誠也が捺生の方から私にちらりと目線を移した。

「……私も理解しきれていないんだけど…………」

昨日捺生からきいた衝撃的な話を誠也に話す。

『私達のとこで、兄貴…………二年前に死んだんだ。』

――このことは、誠也本人に言うべきなのかな


「はぁ……外見はそのままに、中身だけが12年後の捺生ってことか?」
「そういうこと。私自身も理解できたもんじゃないよ、こんなの。私はただ姉貴と兄貴の墓参りに…………っあ!」

捺生の言葉で誠也と捺生本人も硬直している。無論私も同じだ。
言うべきかどうかと悩んでいた最中にソレだ。苦悩は水の泡になってしまったではないか。

「俺の墓参りって……どういうことだ?」

目線を下に逸らす。
捺生は『やっちゃった』とでも言うように顔を歪めた。

「……わ、私の口からは何も言えない……。私だってそんなこと受け入れられないのに……。」
「…………捺生、どういうことなのか、説明できるか?」

もう逃げ場はない、諦めたように捺生は口を開いた。


「2年前……というか、この世界なら10年後ってことか……。今の私が4歳なら、兄貴は今19歳だろ。その10年後、つまり兄貴が29歳のとき、兄貴は病気で死んだ。」

私も誠也も食い入るように聞いていた。
誰か嘘だと言って、そう願いながら。

「私だって兄貴が死んだ頃は14歳で、まだ何もわかってなかった。兄貴がなんの病気かなんて知ったのも、兄貴がいなくなってから知ったんだ。後悔しても、しきれなかった……!私は何もできなかった、何かしてやりたかったけど、できなかった……!!」

捺生がボロボロと大粒の涙を溢す。
いつもの幼い喚きとは違って、自然と溢れてくるようなそんなものに見えた。

「ごめん、捺生……もうわかった、辛かったよな、無理に話させちまって、ごめん。」

誠也が制止をかける。
それでも捺生の思いは止まることなく溢れ続けた。

「兄貴に会えたとき、物凄く嬉しかったんだ。まだ元気で、まだ兄貴と話せるんだって、すごく嬉しかった……だから、私はここから続く残酷な未来なんて見たくはない。」

小さな手を強く握った捺生は、とても大人に見えた。外見は変わらなくても、強い目をした捺生がそこにはいて、正直私達なんかよりずっと辛い現実を受け止めていたんだと初めて気づいた。


「私、そんな未来変えたい。」



どこかの物語のような嘘みたいな話。

そんな現実を受け止めていた妹に、私はなんと声をかけるべきだったのだろうか。





あとがき

やはり暴走しますNoisy。書いてて我ながら意味分かんないです。
こんにちは、がんえんです。(タイミング)
いい加減計画を立てて丁寧にNoisy書いていこうと思っています。(思うだけ)

『残響のテロル』知ってる方いらっしゃいませんか((突然))
自由掲示板やりたいんですけど、IDなくてやれないです。やりたいです。語りたいです。

はい、そんなこんなで終わります。
よくわからない暴走Noisyにもう少々お付き合いいただけると幸いです。
おなまえはハンドルネームでいいです。
ID
パスワード 
ハンドルネームの後に(本人)をつける つけない
 ログインすると、IDなどが自動的に入ります。
お名前 
男女 女の子  男の子
学年 1年生  2年生  3年生  4年生  5年生  6年生
ようちえん  中学1年  中学2年  中学3年  大人
かんそう