ひょうし/小説を書こう
貴女は?【没作品を公開処刑】
作:がんえん/中学2年 女子

「それでねー、その駅前のケーキ屋のシュークリーム貰ったんだけどー、本当美味しくてさー!」
「………………うん。」
「……あー、今度は私が買ってくるからさ、一緒に食べよ?ね?」
「………………うん。」


何故、この人が私に飽きずに話しかけてくるのか全くわからない。
いや、周りが言うことになぞらえれば“覚えていない”というのが正しいのだろうか。

周りが言うには、私は学校の屋上から飛び降りたらしい。
恐らく自殺。何故その行為に至ったのか、理由も、その瞬間も何もかも覚えていない。
記憶喪失、というものになってしまうくらいだ。打ちどころが悪かったのだろうか。

そして、この話しかけてくる人は私の親友だったらしい。
それは本人からだけではなく、他からも多く聞いているから本当なのだろう。

唯一、覚えていることといえば、この親友の顔だった。

呼吸器やら点滴やら心電図モニターやら、ごちゃごちゃと色々なものが繋がった中で私は目覚めた。
真っ先に思い出したのが彼女の泣き顔だったのだ。
泣き顔。
それは私の自殺と何か関係があったのだろうか。
蘇った記憶は只々それだけ。
家族の名前も関係性も、彼女の名前も全く思い出せなかった。思い出せるのは、泣き顔のみ。

私は、自分のことも忘れてしまっていた。
だが、それは説明されたら容易に思い出すことが出来た。この違いはなんなのだろう。
歩くことも、手を動かすことも、少々のリハビリをすればすぐにできた。
話すことは、上手くできなくなっていた。
何か話して、ミスをしてしまうことを恐れたから。


「じゃあ、私行くね。今度シュークリーム買ってくるから!」
彼女は笑っていた。
「…………うん。気、をつけて……ね…………。」
覚束ない私の言葉に目を見開き、そして彼女は少し笑んだ。
「……ありがとう。」
静かに閉まる病院のドアを見て、私はまた眠りに落ちた。
白いシーツと掛け布団に挟まれて。
押し殺したような、小さな泣き声を子守り歌に。



✽✽✽



止められなかった。
彼女のその行為を、止めることができなかった。
『時間がなかった』なんていうのはただの言い訳だと思う。
階段を無我夢中で駆けて、ドアを勢い良く開けたところで、それは意味をなさなかった。
彼女は落ちた。
彼女は墜ちた。
彼女は堕ちた。
彼女はオチタ。


私を、おいて。



『不幸中の幸い』だと、皆は言った。
その度私は、疑問に思う。
何処が『幸い』なのだろう。
飛び降りたが、命を落とさなかったという事実が?
それでも記憶を失ってしまった彼女がこれから何を希望にして生きていくというのだろうか。
一度でも『死にたい』と思った人が身をボロボロにして生きて、何が楽しいというのだ。

わからなかった。



きっと、私の声はもう彼女には届かない。
私達の友情はもう見つかりはしない。


自転車を走らせて、夕焼け空へ向かう。
涙が伝ったが、これは生理的な涙だ。自転車速く走らせすぎて風が顔を駆け抜けて……風に乗ったゴミが目に入ったからだ。
たぶん。


✽✽✽



彼女が来なくなった。
予想以上にそれは寂しいもので、わからないながらに新たな感情が交差する。
会いたい。
だけど、あの人のことは何もわからない。
そんな自分が、思っただけで何ができる。

「今日はリハビリないですよー。」
看護師さんがにこやかに言った。
「…………高いところ……って、……ありますか?」
言葉がうまく出てこない。
「屋上、ですか?はい。ドアを出て左に行ったら突き当りにエレベーターがありますので、それの『R』を押したら、そこですよ。一緒に行きましょうか?」
「え、あ……はい……。おねがいします……。」
よく、わからない。
そんなこと言えないから、顔見知りの看護師さんに預けてしまおうと同意。






あとがき
がんえんと言う者です。終わり方がやる気ないことを示していますね↑
早速ひーちゃんに便乗させていただきました。【没作品を公開処刑】いいですね((((^o^))))
これは、過去の私は何を思ったのかハチさんのドーナツホールと、ナブナさんの透明エレジーをミックスしたような『ドーナツホール×透明エレジー』とやらを書きたかったらしいですが、オチが消えたのでやめました。てか何阿呆なこと考えてるのでしょうか原作様に謝れってね。本当に申し訳ありません(泣)
あはっ、本当に公開処刑♥
おなまえはハンドルネームでいいです。
ID
パスワード 
ハンドルネームの後に(本人)をつける つけない
 ログインすると、IDなどが自動的に入ります。
お名前 
男女 女の子  男の子
学年 1年生  2年生  3年生  4年生  5年生  6年生
ようちえん  中学1年  中学2年  中学3年  大人
かんそう